戸澤の週報

2019年11月02日

ミドルマネジメント

南アフリカがイングランドに勝って優勝を決め、日本でのラグビーワールドカップが終わりました。

今日はニュージーランドをあそこまで苦しめたイングランドの強さを発揮することができませんでした。

その南アフリカに日本が負けたということであれば、まあ、納得がいきます。

個々の力ももちろんのことですが、南アフリカの組織力の勝利と言えそうです。

 

会社と言う組織について考えてみたいと思います。

会社の強さを考えていると、最後は組織の強さに行き着きます。

組織をどのように強くしていくかを考えると、ひとつは知識の大切さにたどり着きます。

会社にはトップマネジメント、ミドルマネジメントがいて、顧客と直接繋がっている第一線の現場担当者ががいます。

顧客の要望だったり、顧客と接したむつかしさ、そこから得られた感触や経験。

それらは現場で知識となり蓄積されていきます。

ただ、それらの知識はそのままでは人に分かりやすく伝えるのは難しい形であることが一般的です。

これは例えば、誰かの頭の中に蓄積された経験値みたいなもので、他の人に伝えることはそのままでは難しい形です。

このような知識を「暗黙知」と呼んで良いと思います。

組織の強さを考えた場合に、現場で蓄積された暗黙知を誰でもわかる形の知識に変えていくことが重要です。

例えば誰かの頭に入っているノウハウをマニュアルにまとめて、誰もがアクセスできるところへ置くことは、今までとは全く違う効果が期待できます。

このように誰もが分かる形の情報に置き換えられた形を「形式知」と呼びます。

組織は会社の中に点在している価値のある暗黙知を吸い上げて、形式知に変換し、変換された形式知はミドルマネジメントを通じて全社に共有され、さらに付加価値があるものに再利用されていくことで、組織の本当の強さが発揮されます。

個人で行っている以上は、個人で経験して得られた以上のものは自分の知識にすることができないからです。

 

そして、会社はトップマネジメントが出す会社の大きな方向性を表すミッションを、ミドルマネジメントが最前線の現場に分かる形に翻訳して現場の末端まで共有し、ベクトルを合わせます。

現場は組織の大きな方向性を理解し方向性を揃えてリソースを配置しますので効果が出やすくなります。

どちらの場合も情報のやり取りの中間地点にいて、知識を司っているのがミドルマネジメントです。

生産性の向上が騒がれて久しくなってきましたが、生産性向上に大きな成果が期待できるのが、暗黙知を形式知化→形式知の共有→新たなる価値の創造のプロセスであると考えています。

理想を語るトップマネージメントとその理想とのギャップに悩む現場との間に入り、その理想と現実のギャップ解消に努めるのがミドルマネジメントの大切な役割です。

そのように考えると、組織が強くなるためにはトップ・ミドル・現場のどれも欠けてもいけないのですが、その中でも中間に立って様々な調整を行っているミドルマネジメントの大切さは際立っていると言えそうです。

いかにミドルマネジメントに活躍の場を創れるか?

その仕組み創り・環境創りの巧拙が今後の会社の競争力に直結していくと最近確信に至りました。

全くの人まねではなく、自分たちに適した形でそれらをどのように実現できるかを考えていきたいと考えています。

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