戸澤の週報

2018年09月17日

観光業界を考える

この休みには知り合いの方が経営している志賀高原の旅館に1泊させて頂きました。

志賀高原とはスキーをする方には非常に有名な場所です。

東京からは車で4時間の距離ですが、雪質は非常によく、サラサラのパウダースノーです。

志賀高原は上信越高原国立公園に中に位置していて、多くあるホテルなどは全て土地を国から借りて運営しているようです。

志賀高原に限った話ではないですが、スキー人口が下降している現状ですと、決して楽な状況ではないようです。

色々とお話をさせて頂いている中で、様々なことを考えました。

やはり一番話が出てきたのは人とお金の問題です。

都市部でも人材の採用が非常に困難になっている中で、高原地域での採用はいかほど大変か。

我々のような企業とは違い、繁忙期の閑散期がはっきりしているために、通年雇用ではなく期間雇用となるため、安定した人材採用や、長期的な人財育成となると難しくなります。

ほとんどの旅館・ホテルが個人経営となります。

生産性を向上させるための方策と付加価値を向上させるための方策に、十分な時間と資金を投入することは決して簡単ではありません。

集客のベースが旅行代理店になっているようで、人数は集まっても単価が非常に低くなり、そこにさらに手数料が多くかかっているようです。

自分なりにどのようにすれば、安定した経営に変身を遂げ、次なるステップへ向けた投資を行う十分な資金を得ることができるのかを考えてみました。

 

①まずはその旅館が目指すべき方向性ややりたいことを考えて、しっかりと定義づけする。

いわゆるミッションを決めて、人間でいうところの背骨部分を確定させる。

②次に顧客をしっかりと絞る。

スキー場の場合は冬が繁忙期ですが、冬に呼びたい顧客と、閑散期である冬以外の各々の季節全てに呼びたい顧客像を固める必要があると思います。

③絞った顧客に対して、その旅館に来るために必要な理由作りをする。

世の中に多く存在する観光地や志賀高原の中でもどうしてこの旅館を選ぶ必要があるのか?しっかりと理由作りを行う。①で定めたミッションを実現するために必要な付加価値とは一体何かを考えて、一通りの答えを出していく必要があるかと思います。

④その上で顧客に対してどのようにアプローチ(営業)を行って行くかを考える。

代理店経由での仕事では本当の意味でのその旅館の良さを活かすことは難しいかもしれません。ある一定の稼働率を維持するために、もしくは最低限の収入を確保するために、代理店経由を残したくなるかもしれませんが、いわゆる大口顧客に特化する戦略でない限り、顧客との接点はできるだけ顧客に近いことが好ましいです。

⑤次に①で定めたミッションを実現するということに対して、可視化の作業を行います。

例えば、「親子3代で同じ景色を楽しめる場所を創る」と言うミッションにしたとしたら、それがどのくらい実現できているかを、人が見てわかる数値の形で評価できる必要があります。

その為には恐らく宿泊客に対するアンケートが有効かと思います。

自分の親に連れてこられて、その次に親抜きで来たか、そしてさらにいつか自分の子供を連れてきたらもっと評価できると思います。

⑥そして、そのミッションを実現するためには、One to One Marketingを行ってみたいと思います。

WEBの様に1対Nの不特定多数を相手に行うマーケティングだけではなく、一度泊まった顧客に対してのアレルギーや好み、家族構成や、誕生日などをシステムに登録しておき、次回来た時には聞かなくても好みのものを実現できていれば、顧客としてはうれしいものです。

いわゆるCRM(顧客管理システム)が必要になってきます。http://www.crm-manual.net/case/hotel.html

 

まだまだ考えられることはありますが、この辺りでやめておきます。

日本中の多くの旅館が一生懸命に頑張って経営を行っております。

それでも本当に一握りだけがうまく行っていて、その他の旅館やホテルは非常に苦戦を強いられています。

ほとんどの旅館が建物を借金で立てているものですから、一生懸命に働いて得た収入の多くが返済に回っているのが現状です。

本当はそこから設備のリニューアルや新設にお金をしっかりと使いたいのですが、回りません。

投資にさえ十分に資金を回す余裕が出てくれば、大きな問題は解決するはずです。

損益分岐点をいかに超えるかが勝負になります。

簡単にはいかないかと思いますが、応援したくなります。

 

画像は横手山山頂のパン屋さんです。

日本で一番標高の高いパン屋で有名ですが、行った時には焼きたてで、本当においしく頂きました。

 

 

 

 

 

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