戸澤の週報
2026年03月28日
さらに参ぜよ。30年。
久しぶりの雨が降った週末でした。
長い間雨が遠ざかっていたので、少し忘れていました。
当たり前ですが、ずっと同じ天気ということはありませんね。
半導体は数あるカテゴリの中でも、有数の市況の変化が大きい分野です。
作るのに一定の時間が掛かるため、発注から入手までに数か月から半年かかります。
この時間の遅れが、市況を乱高下させる大きな要因です。
一旦市況が好転すると、多くの人か一気に発注を行うため、製品の入手が遅れます。
そうすると、発注側は不安になり、次回分も先行でオーダーを打ち、結果工場が一気にオーダーで溢れます。
その結果、工場からなかなか製品が出荷できなくなり、ますます不安になり、更なる発注を重ねてしまします。
そして、時間が経ち、市場の需要が落ち着いた時に、一気に製品が入荷します。
当然、在庫で溢れてしまうので、当分発注は必要なくなり、市況が一気に悪化します。
このサイクルをシリコンサイクルと言います。
およそ2年から3年周期でやってきます。
最近のシリコンサイクルの特長は短期間で入れ替わることと、乱高下することです。
90年代からシリコンサイクルはありました。
ITバブル崩壊やリーマンショックのように、ある時突然需要が喪失することもありました。
しかし、これらはシリコンサイクルというより、経済の一次的な麻痺という表現が近いと思います。
半導体の需給のバランスによるシリコンサイクルは2000年代、2010年代を振り返ってみると確認できます。
いずれも3年くらいの周期で入れ替わっていますが、そのスピードは緩やかです。
間の1年くらいは、通常の状態と呼べる年が存在していましたが、今は様子が変わってきました。
2023年から2026年の終盤まで供給過多と思ったら、一気に需要過多となりました。
そして、移り変わるスピードの早さだけではなく、その振れ幅も非常に大きくなってきています。
会社のリソースは簡単に増やしたり減らしたりすることはできません。
経営は「読み」だけではなく「耐久力の勝負」が大切になってきました。
まだ、修行の継続を痛感しています。
この業界で生きていると、平家物語の有名な冒頭の一文がいつも頭の中に浮かんできます。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を表す。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者もついには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。」
様々なものが、移ろっています。
循環しつつ、前の物とも少し違う姿を見せてきます。
長く様子を見ていることで、少しだけ全体像が予想できるようにはなってきました。
それでも、常に姿を変えて現れる時代の変化をまとった目の前の現象に、対応していくのは至難の業です。
さらに参ぜよ。30年。
仏教の言葉で、悟ったと思った弟子が、師から言われる言葉です。
まだ、足りない。もっと修業しなさいと、天から言われているように感じます。
必ず調和できる点はあるはずです。
大きな変化と見えるところにも、どこかに、崩れない軸はあるはずです。
当社としては、短期の波に決して振り回されず、少し長い期間を一つのまとまりとして考えて、経営していきます。









