戸澤の週報

2022年12月25日

売り買いの駆け引き

年の瀬も迫り、いよいよ2022年も残りあと1週間です。
冬の本格的な寒さを迎えています。
ここからしばらくは厳しい寒さですが、また暖かくなるのを楽しみに頑張りたいと思います。
 
今年1年の営業活動の中で思ったことは、営業は本当に奥深いということです。
営業と言えば、顧客に訪問し、自分たちの商品やサービスの良いところを紹介して、買って頂くイメージだと思います。
当然買う方が強いように感じるかと思いますが、実際には強い場合もあれば、弱い場合もあります。
ある商品に対して、多くの人が欲しいと思えば、売り手が強くなります。
逆に買いたいという人が少ない場合は、買い手が強くなります。
当社は商社ですので、買い手と売り手を常に両方を経験しています。
買い手として、または売り手として、自社が強い立場にいれば、さほど難しくはないのですが、問題は弱い場合です。
まずは売り手として弱い立場になってしまっているのであれば、自社の商品の魅力が足りないということです。
お客様から見て、自社の製品がどれくらいの代替性があるのかがポイントです。
いくらでも同じような商品やサービスがあるのであれば、必然的に売り手が弱くなります。
この場合の打つ手としては、徹底した差別化が必要になると思います。
お客様から見て、当社を選ぶ理由を自社の商品やサービスに持たせることです。
売れるための原因づくりを徹底して行うことによって、気が付いた時には、自社の商品やサービスが、他社へ置き換えることができなくなっています。
代替が困難になり、代替性が低い状態になったことで、自ずと売り上げも上がってくると思います。
 
もう一つは買い手として立場が弱い場合です。
この場合は、購入する金額を大きく上げれば良いのだと思いますが、支払う金額には限界があります。
おおよそ同じくらい支払える人が二人いて、そのどちらに販売しようかと売り手が考える場合に、どこに基準があるのでしょうか?
仕入先に対して、自分の弱みを見せずに、駆け引きを進め、最終的にギリギリの線で相手を上回り、購入まで至ると言うのが一般的です。
それに対してもう一つのアプローチは、最初から自分の現状をさらけ出し、自分の状況を販売側にも理解してもらった上で話を進めるやり方です。
一般的には支払いの心配が少しでも見えたら、売る方としてはマイナスに考えるので、前者の弱みをできるだけ見せないアプローチが一般的だと思っていました。
しかし、今年一年で、後者の初めから自分の弱みを見せて、相手にきちんと共有するアプローチが機能していることを見ることができました。
売る方もビジネスであると同時に、人の心を持っています。
折角売るのであれば、その製品をよりよく使ってもらいたい、活用してもらいたいという気持ちは思っている以上に大きいことを学びました。
当社としては、この「正直ベースの営業スタイル」を基本スタンスとして、心通うコミュニケーションを図っていきたいと考えています。

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