戸澤の週報

2023年01月09日

思考の整理学

新年あけましておめでとうございます。
2023年も引き続き、様々な困難がある年ではあるかと思いますが、一生懸命に対応致しますので、どうぞ宜しくお願い致します。
年末年始のお休みで、外山滋比古さんの名著である「思考の整理学」を読みました。
長い間、読者に支持されている理由も分かりました。
物事の捉え方が非常に秀逸で、新しい視点を授けてくれます。
 
なぜ、ギリシャ文明が人類史上1番発達したか?
それは、問題を解く力では無く、問題を作成する力があったからと言う。
この本が作られた当時だけでは無く、令和の現在でも、日本を大きく浮揚させるような力強い教育ができているとは、残念ながら言えないだろう。
その一つの理由は、強い学校信仰があると言う。
何かを学びたければ、学校に行こうと言うことだ。
学校に行けば、当然教科書に引っ張られ勉強していく事になる。
自力で飛び上がることができない、グライダーのようなものだ。
対して飛行機は自力で飛ぶことが出来る。
学校はグライダー人間の訓練所だと言う。
たしかにグライダーの中に1人だけ飛行機が混ざっていては、迷惑するし、危険だ。
そのため、飛行機気質を持っている生徒も、多く注意されることで、卒業時にはグライダーらしくなってしまう。
これからの世の中に必要なのは、飛行機型の人間だ。
しかし、いきなりグライダー人間をいきなりやめてしまうことはできないため、作者はグライダー兼飛行機の人間と言う新たな形を提案している。
この話を読んで思うことは、ドラッカーが唱えた「なすべきは自ら持っていないものではなく、自らが既に持っているものを使って成果を上げることである」と言う言葉を思い出します。
これからの日本の再浮揚に必要なものは、過去の全否定では無いはずです。
良いところは、断固として残し、自らの強みとして、この令和の時代に合わせてチューニングしていくことです。
日本らしい、他の国が真似できない強みを武器として戦うべきです。
全く同じ土俵で戦うことは、過去に多くの先人達が積み上げできた、偉大な財産を失う事になります。
コロナに対する捉え方が動き始めた今だからこそ、残すべきところを精査して、日本の、そしてそれぞれの組織の強みへと大きく変えていくための活動を開始する時だと、本書を読んで、強く感じました。

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