戸澤の週報

2023年02月12日

ケア

東京にも雪が降りました。
このシーズンで初めてでした。
随分警戒していましたが、今回は大きな被害にはならなったようで、良かったです。
 
先週は、当社が行っている社内研修制度(コアスタッフユニバーシティ)のリベラルアーツの分野で、講義がありました。
東工大のリベラルアーツ研究教育院の教授である柳瀬博一先生にお越し頂き、講義して頂きました。
柳瀬先生には、前回はメターバースを始めとする未来の技術についての講義に続き、2回目となりました。
今回のテーマは「ケア」です。
柳瀬先生はこのコロナ禍でお父様を亡くされており、そのお父様を実家で見送る時に、生まれて初めて納棺のお手伝いをされました。
お父様をお見送りするために、納棺師の方ではなく、柳瀬先生と弟の2名で、全ての着替えを行いました。
その過程で、今まで考えてもいなかった「ケア」についての新しい見方ができたということです。
(こちらの詳しい過程については、柳瀬さんが今回発刊された幻冬舎出版の本「親父の納棺」にありますので、ご覧ください。)
 
今回教えて頂いた内容は、仕事としてのケアに関して、現在の日本は誤った認識をしており、この事が今の日本の成長を阻害していると言う視点です。
子育て、介護、看護、家事は全てケアワークと言われています。
この内きちんと仕事(ワーク)として外部化できているのは看護くらいで、残りの3つは未だに家庭内で行われているものが多いのが現状です。
世の中の価値観として、子育ては小さい内は母親が行うべきだというのは未だに根強いです。
介護も世話になった両親の最後の面倒くらいは子供が行うべきだというのも同じです。
家事に関しては外部化が最も遅れている分野で、外部化の発想がそもそも希薄です。
そして、もう一つ大きなポイントは、これらのケアワークの大半が女性が行っているという事実です。
最近はようやく日本でも流れが変わってきており、男性の参加が増えてきています。
当社でも男性の育休の申請の第一号があり、うれしく思いました。
しかし、それでもそういったケースは若い世代であり、それもまだ、ごく一部に留まっているのが現状です。
様々な価値観がありますので、何が絶対に良いというのはありません。
しかしながら、現在の日本の現状を考えると、絶対的に必要なことは、女性のビジネスにおける第一線での活躍です。
出産や介護を機に退職をすることで、キャリアを終わらせてしまうのはあまりにもったいないと思います。
 
これから必要なことは、ケアについて「心」と「ワーク」の2つに分けて考えることだと教わりました。
子育てにしろ、介護にしろ、家事にしろ、これらのワークに対して、スピリッツを持ち、心をかけてあげることは大切です。
子どもを保育園に預けるのとは別に、子供に絶対的な愛情を持つということでしょうか。
介護にしろ、預けるだけではなく、定期的に会いに行ったり、電話をしたりして気に掛けることでしょうか。
こうしたことは「心」と考え基本的なものとして捉えます。
そして、実際の「ワーク」は外部化して、そこに時間を生みます。
その時間を自分の持っている仕事に投下することで、より多くの責任あるポジションが担え、より多くの成果を出すことができます。
と、ここまではその通りなのですが、現在の日本での問題点は、決して単純ではありません。
まず、その外部化した先の方々の給与水準が高くないことです。
保育士、介護士などの話はよく聞きます。
人の命を預かり、ケアする仕事に対する評価が非常に低いと言えるでしょう。
こういった部分は社会の自由競争では解決できない部分ですので、行政が介入すべきな部分だと言えるでしょう。
こういったケア業の方の所得水準が上がったとして、次に問題になるのは、実際にワークを外部化する費用が今以上に高くなることです。
ただでさえ、保育園に預けていると、実際の収入の内、ほとんどが保育料に消えていってしまうと言うのはよく聞きます。
そう考えると、あとは企業側の努力で個人の所得水準を上げていく必要があります。
実際には企業側だけではなく、そこで働いている1人1人との共同作業になります。
現在稼いでいる水準を上げていき、この先も間違いなく高い水準で稼いて行けるという実感が必要です。
それくらい、所得水準を上げるベースアップと言うのは、企業にとっても大きなインパクトがあるということです。
そのようにお互いが努力して企業における所得水準を一定以上にあげることで、ようやく理想とする「ワークの外部化」が可能になります。
このように進んでいく事で、ケア業のビジネスチャンスも多く生まれてくることでしょう。
世の中のマインドが心を伴ったワークの外部化が当たり前となって初めて、現在日本が苦労している少子化の問題の解決の糸口が生まれてくることと思います。
決して簡単な道のりではないけれど、各々の領域でできる事を速やかに行っていく事が、今後の日本復権の鍵になると感じた講義でした。
今回の話には学校の先生は入れませんでしたが、こちらは別途書いてみたいと思っています。
学校の先生の問題を放置して、この先の日本の復権は決してないと思うからです。
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