戸澤の週報

2001年11月10日

2001/11/10

私の主催しています今回の勉強会のテーマは狂牛病でした。専門分野の方からの説明だった為、テレビなんかで取り上げている物とは別角度からの視点だった為、非常に新鮮な内容でした。中身をかいつまんで話しますと、狂牛病はエイズやエボラ出血熱などとのウィルスが原因で感染するものではなく、人間なら誰でも体内に持っているたんぱく質「プリオンたんぱく質」が病原体と言うことです。通常のタンパクであれば熱を加えたり、紫外線をあてたりすれば死滅するのですが、狂牛病の病原体である異常型プリオンタンパクはこれらの処理では死滅しません。死滅させる手段は焼却するか、塩素漂白するしか方法がありません。そのために現在は狂牛病を克服する決定的な方法が見当たらないとのことです。それではなぜこの狂牛病が発生してしまったのかと言うことですが、詳しくは分っておりませんがただ1ついえる事は、生態系の秩序を壊してしまった人間が原因であると言う事です。つまり、牛に肉骨粉と言う形で処理させた物を食べさせている(つまりは共食いです)。本来牛は共食いをしません。それなのに人間の都合で共食いを強制してしまったのです。そこに生態系のずれが発生してしまったのですが、牛は言葉を発しません。今回の病気は人間に対する無言のメッセージだったのではと感じました。

この世の中には秩序と言うものが存在しています。犯罪をしない、人の気持ちを傷つけることはしないなどですが、人間に対する秩序は法律と言う形で制度化していますが、もっともっと原点の、逆にいえば人間の生命に一番直結している、地球に対する、もしくは生態系に対する配慮が最近では人間の都合によって捻じ曲げられてしまっているようです。一見何気なくやっていることも、本来の流れからは外れてしまっていることも数多くあると言うことがよく分りました。これを、会社に置き換えて考えてみますと、その会社では当たり前のことも実は間違っているなんてことは良くある話だと思います。本当の意味での秩序を見直し、理解を深めていくことが必要な時期に世の中も、企業も直面しているようです。
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