戸澤の週報
2026年11月01日
端境期(はざかいき)
先日、野菜の直売所を訪れた際、「季節の端境期に入りました」という案内を見かけました。
夏野菜の収穫が終わり、冬野菜が出回るまでの移行期間です。
この「端境期」という言葉を見て、今の世界もまさに端境期にあるのではないかと感じました。
電気自動車も自動運転も、最近ではAIも端境期に入ってきました。
私が考える端境期とは、単なる変化の途中ではなく、古い価値観や仕組みと、新しい価値観や仕組みが併存し、せめぎ合う時期です。
歴史を見ると時代と時代の間には、多くの動きがあります。
例えば室町幕府が弱体化すると戦国時代に入り、やがて織田信長のような新しい勢力が台頭しました。
幕末には多くの人が動いて、新しい政府を樹立するに至りました。
今の世界を見渡すと、多くが次の状態に移りかけています。
AIがこのまま進んでいくと、これまで必要とされてきた多くのスキルや、業種が提供してきた価値そのものが、大きく変わっていくことでしょう。
既にその兆候ははっきりと出始めています。
端境期における移行の力は非常に大きく、その勢いを止めることはほぼ難しいと考えます。
私は、このような変化の途中で起こる反動を、「端境期のリバウンド」と捉えています。
人間は移行が一気に進むと、不安を感じます。
そこには、人間が持つ現状維持バイアスも影響しているのかもしれません。
そのため、不安に感じた層が、一旦移行を止めようという力が働きます。
少し前では、EVに一気に行くと思ったら、途中で小休止がありました。
AIも、進化が早すぎて開発を緩めようという声が上がっています。
いずれも、圧倒的な付加価値と必要性があるのであれば、いつかは移行する可能性が高いと言えるでしょう。
現在の不確実な世界を、端境期から見てみると、新たな視座が得られるかもしれません。
結局は人々の気持ちが、世の中の動きを決めていきます。
最近若者は会社の飲み会が嫌で参加したくないとよく聞きます。
しかし、楽しそうに飲み会に参加している若者を見ていると、実際にはそうではないと思うようになりました。
参加したくないのは、楽しくない、何も参考にもならない会社の飲み会なのかもしれません。
我々の時も、楽しくない飲み会に参加したいとは思っていませんでした。
端境期にあっても、見た目は変わっても本質が変わっているかどうかは、慎重に見る必要がありそうです。
理解するのが簡単だからと言って、決して単純化してはいけないと思います。
あくまでそのものを見て、深く理解することが必要に感じます。
端境期のもう一つの特徴は、移行前と移行後では、それまで当たり前だった価値観や、正しいとされていた判断基準まで変わることです。
歴史を振り返っても、社会で正しいとされてきた価値観や判断基準は、時代とともに大きく変化してきました。
これからの会社運営においては、この端境期を理解し、世の中がどこに向かっているのかを理解することが大切です。
端境期に必要なのは、変化を誰よりも早く予測する能力だけではありません。
一時的なリバウンドに惑わされず、変わっていくものと変わらないものを見極めることです。
世の中が大きく変わる時こそ、表面的な現象に飛びつかず、その奥にある人間の心理や本質を理解する必要があります。
端境期とは、単に時代が変わる時期ではなく、物事の本質を見抜く力が試される時期なのだと思います。







