戸澤の週報
2025年08月23日
知行合一と抜本塞源
お盆が終わりましたが、まだまだ暑い日が続いています。
それでも夕方からは少しは涼しくなっているようにも感じます。
少しずつ秋が近くに来ているのでしょうか。
今日は若いころから今に至るまで、思考がどのように変化したのかを辿ってみたいと思います。
いつからかは忘れましたが、知らないことを知ると、うれしく感じるようになりました。
それからは、唯一の趣味と言って良い、読書が習慣化されるようになりました。
20代の頃はまだ本棚があったかすら記憶ありません。
30代の前半でようやく小さな本棚が机の近くにあったことを覚えています。
30代半ばにかなり大きな本棚を購入した頃には、よく本を読むようになっていました。
その頃に学んだことが「知行合一」という言葉です。
中国の明時代の思想家である、王陽明が残した言葉です。
知(知識)と行(実践)は本来分けられるものではなく一体である。
行なき知は真の知ではないという考え方です。
自分がなんとなく感じていたことを言語化してくれていました。
この言葉を知った時、自分にとって大切な言葉になるなと思ったことを今でも覚えています。
以来20年近くになりますが、自分の中の一番のベースになる部分にいつもいる大切な言葉となりました。
当社の中の経営・営業・人事などの戦略や、やめる会議などの具体的なアクションなど、本から得た知識を実践に活用しています。
やめる会議は、今では社内で時々開催し、当たり前に行っていることを見直し、リソースを生み出すきっかけとしています。
もう一つは比較的最近出会った言葉です。
「孟子」に出てくる「抜本塞源」です。
意味は、何か問題が起こった時に、本を抜き、源を塞ぐ。つまりは、根本原因を断ち切る。
例えば、雑草を抜くときに根ごと抜かなければまた生えるように、社会や人間の問題も根源から対応しなければならないという考え方です。
毎日生活していると、実に様々なものが蓄積されていくものです。
最初は良いことを蓄積していても、いつの間にか慣れてしまい、当初の内容とは変わってしまい、悪い習慣になってしまうこともあります。
問題というのは気を付けていないと、いつの間にか発生しています。
そして、気が付くころには、悪い習慣が続いていて、簡単に表面を直したくらいでは解決ができなくなっているものです。
そこで、問題の根元を特定し、一掃してしまう必要があります。
しかし、そこには強い反発があります。
既に出来上がっている川の流れを変えるようなもので、強い力が必要になります。
大抵は人の現状維持バイアスと正面から衝突し、対決しなければなりません。
それでも、やるべきことがある場合、不人気な判断ではありますが、一時的に負荷はかかっても思い切ってやってしまうことで、短時間で根本から解決する方向を選ぶようにしています。
「知行合一」と「抜本塞源」は、会社経営はもちろん、個人として生きて行く上でも参考になる考え方かと思います。
現在の世の中は、良くも悪くも失敗することが少なく、安全運転が推奨されやすいようです。
また、人間関係でも、お互いの心の底からの気持ちや意見を交換する機会も減っているように感じます。
しかし、問題はより複雑になっているため、解決できない問題が増えて、生きづらい世の中が出来上がってしまうのかもしれません。
自分に必要なことを大いに学び、学んだことは摩擦を恐れず、思い切って問題解決のために実践していくことこそ、今の世の中に必要なことだと感じています。
長年の風雪を超えても尚伝わっている言葉たちは、本当に重みがあります。
古典と言われる世界には、現在を生き抜くヒントが溢れています。
我々がそれを知ることと、勇気を出して実践することが大切ですね。