戸澤の週報

2026年10月03日

The meaning of life

このタイトルは書店を歩いていると目に留まり、去りがたくなり、買ってしまった本です。
「積んどく」解消に努めているのですが、強い引力を感じて購入しました。結果、非常に視野が広がる良書でした。

著者は ジェームズ・ベイリー(James Bailey) です。

この本が面白いのは、ベイリー自身が「人生の意味」を説く本ではないところです。
彼自身が人生に行き詰まった時期に、世界中のさまざまな人物へ「人生の意味とは何ですか?」と手紙を送り、約10年かけて105の回答を集めたものです。

ジェームズ・ベイリーは、もともと哲学者として「人生の意味」を研究していた人ではありません。
20代半ば、将来への方向感覚を失い、人生をどう生きるべきか悩んでいたことが出発点でした。

そんなとき、哲学者・歴史家のWill Durantが1930年代に、著名人へ「人生の意味とは何か」と問いかけたプロジェクトを知ります。
ベイリーは「では、現代の人々なら何と答えるのだろう?」と考え、世界中の著名人に手紙を送り始めます。

面白いのは、一流の人たちなら人生の答えを知っているはずだ、という期待が、だんだん崩れていくことです。

 

多くの人が人生の意味とは何かを知りたくなり、考えるのですが、なかなかこれといったものが見つからず、時に無力感を感じることもあります。
しかし、この本に出てくる各界の著名人の答えを見ていると、答えは一つに決まったものではなく、自由でいいのだと教えてくれます。

その中で、いくつか印象に残ったものを共有します。

 

・意味は求めるものではなく、自分が世界とどう関わり、人生に何を投げかけ、人生がそれにどう答えるのか。その繰り返しで、人生の意味が自然と立ち現れてくる。

主体的に自分が世界と関わっていくことの大切さを教えてくれます。
人生に対して自分が深く関わることで、人生自体を一つの「システム」と見なし、そこから回答が返ってくるという、システム思考にも通じる考え方です。
世界を一つの大きなシステムとして捉え、一生懸命に取り組んだ結果、自分の居場所を獲得し、その後、自然と意味が分かるようになるという考え方です。

 

・人との関わりが大事。

一人で完結できることはありません。
人生において、人と関わることをあきらめるなとあります。
すべての基本を思い返させてくれます。

 

・コップの水が「これしかない」「まだこれだけある」ではなく、そもそも水を入れるコップを持っていることを自覚することが本質。自分の人生が与えられていること自体が奇跡である。

つい忘れてしまうことですが、本質を教えてくれる考え方です。
そもそも人生を前向きに捉えるかどうかという次元ではなく、そのことを考えられること、つまりは人生を与えられていること自体に気が付かなければいけないということですね。

 

・与えること、役に立つことを通じて、意味を見つける。

自分が何かを獲得し、自分で納得することも大事ですが、本当に喜びを感じることができるのは、人の役に立った時です。
与えることの意義を考えるきっかけになる言葉です。

 

・世界の中での自分の役割を感じ取り、理解し、世界に貢献すること。

自分に与えられた役割を探すことは、人生の意味を探すことと同義なのかもしれません。

 

・自分より大切な何かを見つけて、人生を捧げること。そして、そのために自分より大きなものを求めるタイプの人たちと協力する。

誰と一緒に人生を進めていくかは、思っている以上に大切です。
高い視座、広い世界観を持っている人と付き合うことで、自分を高めていくことができます。

 

今回の本から学んだことは、何にでも一つの答えがあるわけではないということです。

自分の役割を見つけ、人と関わり、少しでも人の役に立つことを行う。
そうして日々を生きていけば、人生の意味という答えは、無理に見つけなくても良いのかもしれません。

現代を生きる私たちは、仕事を持ち、日々やるべきことに向き合いながら1日1日を過ごしていくだけでも大変です。
だからこそ、時にはこのような本をガイドに立ち止まり、内省し、自分の人生について考えてみることにも価値があるように感じました。

 

参考図書:『人生の意味』ジェームズ・ベイリー ダイヤモンド社

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