戸澤の週報
2025年05月31日
学問のすすめ
生憎の雨模様の週末です。
寒暖差が非常に大きく体調を壊している人が多くいます。
この週末で体調を整えて、新たな月の挑戦に向かいましょう。
最近は実はまだ読んでいなかった名著にトライしたいと思い、まずはかの有名な福沢諭吉の「学問のすすめ」にトライしました。
(参考図書:現代語訳 学問のすすめ 斎藤孝訳 原書は難しすぎます。。)
発行部数、約340万部(当時の人口は約3,300万人です。10人に一人以上が読んでいる計算)
学問のすすめと言えばあのセリフですね。
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」
世における人の平等を説いたものですが、実はこの内容は本書を通じて大事な部分ではないのです。
この本において福澤さんが一番言いたかったのは以下の内容です。
「人間の生まれつき平等です。だからといって全員が同じ結果を得られるわけではありません。
あの有名なフレーズは、人間の生まれつきの平等を語っているだけで、
「だから全員が同じ結果を得られる」とは一言も言っていません。
学ばない者・努力しない者は落ちぶれて、 学ぶ者・努力する者が上に立つのは当然と言っています。
つまり、「学べば道が開ける。学ばなければ取り残される。それは当然のことだ」という超シビアな現実主義なのです。
福澤さんは決して「みんな仲良く平等に」とか「ただ知識をつければ良い」みたいな甘いことは言っていません。
「学ばない者は滅びる」
「知識を実践に役立てろ」
「自立できない者に未来はない」という、結構厳しいメッセージを発しています。
当時の明治政府は、「富国強兵」「お上に従え」的な動きが強かったです。
でも福澤さんは、「政府に頼るな。国の力は個人の力だ。」と主張します。
政府が偉いから国が強いんじゃない。一人ひとりの市民が賢くなるから国が強くなる。
福澤さんのいう「学問」とは 単なる知識の詰め込み ではなく、
・自分の頭で考える力
・社会に貢献する力
を育てるものという考え方だったのです。
また、同時に学びを深めていくと、様々な視点を獲得することになります。
つまり、物事を一つとして捉えることが少なくなり、違った側面も合わせて心の中に浮かぶようになります。
全く同じものを見ても、ある人は多くの気づきを得るが、ある人は何の気づきも得ることができないと言ったことが起こります。
そうなると学んでいるものは、ますます学び、学んでいないものはますます学ばないという、システム思考で言うところの自己強化ループが働くのです。
翻って現代はどうでしょうか?
受験勉強においては世界でも有数や厳しさですが、学校に入ってさえしまえば学びをやめる人が多くいます。
むしろ学校を離れてからの方が、自分自身の仕事という実践を通じて、より深くより楽しく学べると思うのです。
福澤さんの考え方は、発行より153年経った令和7年の現在に強くメッセージを送ってくれています。
学校教育が学びについての姿勢をきちんと教えていくことは当然のこととして、同時に企業の責任も重いですね。
これからは、企業が「学び続ける人材」を評価・支援する人事制度を作ること。
当社内の社内教育大学制度(コアスタッフユニバーシティ)を通じて、社員のリスキリングを強化することで、生涯に渡る学びをサポートしたいと感じました。
皆様は今も学びを続けていますか?
みんなで学びにおける気づきをシェアできると良いですね。