戸澤の週報

2025年06月21日

外交国家としての日本

梅雨入りしましたが、関東は雨のない日が続いています。

東京に供給している荒川水系のダムの貯水率が現時点で63%と、平均を下回っているようです。

大きな問題にならなければ良いのですが。

 

今読んでいる「外交とは何か 小原 雅博著 中公新書」の中には、1853年のペリー来航から始まる日本近代史が外交の側面から記載されています。

国際政治において、他の国と何らかの利害が衝突した場合は、外交の出番です。

できる限り話し合いで問題を解決することを試みます。

それでもどうしても解決ができない場合に戦争の手段が取られることもあります。

よって、国家が目的を達成するために使う手段として、外交も戦争も含むとあります。

日本は先の大戦において戦争放棄をしているために、他の国がこのような考えであることを忘れがちですが、基本的な考えです。

実際に近代史における歴史を見ていると、日本も外交と戦争を時と場合によって使い分けています。

かの有名な「戦争論」の著書であるクラウゼヴィッツの中心的思想は、戦争は非常時の手段であっても、政治の延長線上にあるとクラウゼヴィッツは説きました。

つまり、戦争は政治的行為であり、軍事よりも政治が優位にあるとされています。

そう考えると、軍事が政治から離れて行ったことが、先の大戦に繋がっていったことが良く理解できます。

改めて、外交の見方を理解しておく必要を感じました。

また、同時に大切なことは歴史を知っておくことです。

現在の国際ニュースでは、各国指導者の発言が過激に映ることがありますが、その裏にはなかなか知ることのできない歴史や感情が存在しています。

今回のアメリカのイランに対する対応も、1979年に起こった「イランアメリカ大使館事件」が発端になっています。

イラン革命の直後に、アメリカの内政干渉に反対する学生が、52人のアメリカ人外交官・職員を444日間人質にした事件です。

今も続く国交の断絶となり、双方の国の感情は悪化したままです。

 

これからの世の中はますます、外交が大切な役割となっていくことでしょう。

兵器が高度化していることももちろん問題ですし、民主主義を代表とした社会的な価値観が大きく揺らいでいることも問題を起こりやすくしています。

しかし、そんな時代だからこそ、世界に共有できる普遍的な価値観を持ち、ビジョンを語り、日本が世界を代表する外交国家になっていくべきだと思います。

国家としての経済力は大きく低下しましたが、国としての質の高さは以前あると考えられます。

法の支配、メディアの独立、ものづくりやサービスの質の高さ、食の安全、治安の良さ。

最近色々と言われているところではありますが、他の国との比較では際立っていると言えるでしょう。

日本がグローバルの構想力を持ってリーダーシップを発揮すべき時代となっているのです。

我々はそのような自覚を持って日々過ごしたいと思います。

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