戸澤の週報
2025年07月26日
本田宗一郎の経営哲学
灼熱の日が続いています。
昼間の街を歩くこと自体が、困難に感じます。
雨宿りではなく、クーラーの効いた建物に避難する“涼宿り”が必要な季節です。
HONDAの創業者である本田宗一郎さんが書いた著書は少ないですがいくつかあります。
「俺の考え:新潮文庫」は、本田さんが書いた渾身のエッセイ集です。
読んでみて印象に残ったのが2つありました。
一つ目は創業期の高額な機械の購入です。
本田さんは創業すぐに会社のほぼ全ての資金を使い、スイスのヨハン・リンダー社の機械を購入しました。
当時の日本の工作機械はまだ十分な性能ではなく、海外製とはまだ大きな差があったようです。
購入すぐに資金繰りに困り、自宅や土地を担保に入れたということです。
戦後の不景気の時期に重なってしまい、非常に大きな苦労をしたようです。
しかし、好況期に入ってからは本田の飛躍的な成長に繋がりました。
リスクを避けがちな日本企業が見習わなければいけないと思います。
もう一つは需要の創出です。
著書の中でメーカーの役割は、需要を創り出すことであると主張しています。
需要があるから作るのはメーカーではない。メーカーはパイオニアでなくてはならないと言います。
日本企業が苦手なところですね。
需要があるから作るのであれば、恐らく他の会社も同じような製品を作るはずです。
市場調査では決して分からない、お客様も気が付いてない潜在的な需要を生み出さなければ、他社と差別化することはできません。
これができたからこそ、世界のHONDAになることができたのだと思います。
必要な時にリスクをとり勝負をすること。
世にまだない需要を創り出すこと。
この二つを追求し、当社もまた、果敢に挑戦し続ける組織でありたいと思います。