戸澤の週報

2025年12月06日

思考と行動の可動域を広げる

12月も1週間が過ぎ、いよいよ冬を迎えることになりました。

日本海側では雪が降り始めており、我々に本格的な寒さの覚悟を迫ってきます。

街に出れば至る所でクリスマスの時が近いことを教えてくれます。

 

最近色々な人と話をしていて気が付いたことがあります。

誰も止めていないのに、自分でブレーキをかけてそこから先に進めなくなっていることです。

やらないわけを聞くと、リスクがあるから、過去にダメと言われたからなどですが、多くは何となくダメと思っているからです。

それが故に、細かいことまで確認して、余計に複雑にして、結局物事を始められなくなります。

 

理由はいくつかあるのでしょうが、一番は失敗したくない・自分が責任を取りたくないと言うことでしょう。

昨日移動中の駅である社会人が顧客か上司と電話で話をしていました。

「きちんと詳細を決めてください。こちらで決めて後で文句を言われたくないので」

令和の日本を象徴している会話だと思いました。

 

そもそも役職に関係なく担当者は、その業務に関しての全責任は持っています。

必要に応じて意思決定をします。

問題が起こったら解決まで自分で対応します。

全ての責任は担当者が持つもので、上司はそのサポートすることが役割です。

しかし、いつからか上司のサポートの役割が誤解されていることを強く感じます。

決めるのも問題を解決することも全て上司の役割であると思う人が増えてしまいました。

上司の責任を美化したドラマや本の影響だと思いますが、上司に過度の責任を負わすことは賛成できません。

 

既に日本経済は多くの分野で競争力を失いつつあります。

現在高いシェアを持っている業界ですら、新興国の追い上げに直面しています。

追いかける方も追いかけられる方も、持っている時間は全く一緒です。

しかし片や意思決定を担当レベルで行い、担当者の責任でできる部分までは進める。

上司や周りの関係者に一定の情報共有はするものの、余計な刷り合わせなどは行わない。

もう一方は、自分で決められるところも決めずに、問題が無くなるまで確認を続けている。

必要ないものまで上司や関係者との刷り合わせに時間を使っている。

どちらが多くの活動ができるかは一目瞭然のはずです。

主体性とは、未完成であることを承知して、動きながら責任を引き受ける姿勢です。

他の何より大切なのは時間だからです。

 

これからの日本企業は、担当者の思考と行動になる「見えない天井」を取り除く必要があります。

自分の担当業務でできるところまでは、自分の責任を持って遂行する。

完全を求めずにとりあえず行動に移す。その上で不完全な点は動きながら修正する。

時間を有限の物ときちんと理解し、成果にフォーカスする。

これだけやったとしてもようやく互角な環境になるだけです。

 

企業活動は決して学校ではありません。

厳しい競争に晒された戦いであることを、我々は決して忘れてはいけないと思います。

自分の責任を自覚し自分で考えて自分で素早く決めた上で、即活動に移す。失敗したらすぐに修正してまた挑戦する。

もう一度原点に返ってみたいと思います。

その上先に日本企業が持っている強みを活かした戦い方があるはずです。

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